GPM Core ObservatoryGPM主衛星概要

雨雲スキャンレーダ「DPR」

GPMコア衛星に搭載される二周波降水レーダ(DPR: Dual-frequency Precipitation Radar)は、Ku帯(13.6GHz)降水レーダ(KuPR)とKa帯(35.5GHz)降水レーダ(KaPR)という2台のレーダで構成されます。

高感度化を目的としたKaPRでは、KuPRでは測れない弱い雨や雪の検出に有効であり、強い雨の検出が可能なKuPRと同時に観測することによって、熱帯の強い雨から高緯度の弱い降雪までの降水量を高精度で観測することができるようになります。

これらの周波数では、一般に降水エコー強度は降雨による減衰の影響を受けますが、その減衰量は周波数や雨粒の大きさに依存します。そこで、KuPRとKaPRのレーダビームの位置や送信パルスタイミングを一致させ、同じ場所の降水粒子を二周波で同時に観測することによって、その降雨減衰量の差から雨粒の大きさ(雨滴粒径分布)を推定することができます。

この情報は、TRMM降雨レーダのような一周波のレーダでは得られないものであり、降水量の推定精度を大幅に向上することができます。

また、二周波降水レーダ(DPR)は雨雲を立体的に捉えられるのが特徴で、このことからJAXAでは「雨雲スキャンレーダ」という名称をつけています。