寿命を終えた人工衛星はどうなるの?

人工衛星には「この期間は使い続けよう」と設定した「設計寿命」という期間があります。「設計寿命」は、人工衛星の種類や目的(ミッション)、打ち上げる軌道などによって変わります。人工衛星を作るときは、「設計寿命」の期間を通して人工衛星が働き続けられるよう、燃料の量やバッテリの大きさ、太陽電池パドルの形状などを決めます。設計寿命をむかえても、運用が続けられると判断した場合は、設計寿命を超えて運用を継続することもあります。これまでにも、とても長生きした人工衛星がいくつかあります。

運用が終了した人工衛星は、パワーが残っているうちに地球から指示を送り、大気圏に突入させて燃え尽きるか、運用中の人工衛星の邪魔にならないように、軌道を移動します。軌道を移動した人工衛星は、しばらく地球の周りを回り、大気や重力の影響をうけてだんだん地球に引き寄せられていきます。

地上から高度数百kmほどの低い軌道にいる人工衛星は、数年から数十年で大気圏に突入して燃え尽きますが、1000kmを超える高い軌道の人工衛星は100年以上も回り続けます。いつまでも地球に落ちてこない人工衛星は、宇宙ゴミ(スペースデブリ)として問題になっていて、世界各国でいろいろな話し合いが行われています。

地球のまわりにあるスペースデブリのようす

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