Introductionあらすじ
今日は「最期の時」の話をします。
Informationみちびきの設計寿命
「みちびき」の設計寿命は10年、目標は12年です。なお12年後でも太陽電池パドルで十分な電力が発生するように設計されており、なびたんが見せてくれたように傷でボロボロなんてことにはならないはずです。
衛星の目的によって寿命は様々なのですが、「みちびき」は測位衛星という生活に密着したインフラとなる衛星ですので、他の衛星に比べると長い寿命です。(例えば金星探査機「あかつき」は4.5年、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」は5年、月周回衛星「かぐや」は1年です。)
そんな「みちびき」の最後は、地球から遠ざかるように軌道高度をぐぐっと上げて、燃料をすべて使い切ります。そうすることで、運用中の衛星とぶつかったり、燃料で爆発などして迷惑なデブリ(宇宙ゴミ)にならないようにするのです。
低軌道の周回衛星では、大気圏に突入させて燃やしてしまうことが多いですが、「みちびき」は高度が約32000~40000kmと高いため、高度約36000kmにいる静止衛星にぶつからないよう、さらに遠ざかる軌道に移ります。