サテ★カフェ Vol.13 ~サテ★カフェ プラス~
きずな(WINDS)ができるまで
いつでも、どこでも、誰でも、必要な情報が得られる社会の実現に向けて、超高速な衛星通信技術の実証を行う超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)。その「きずなができるまで」をわかりやすく写真を交えてご紹介します。
組み立て作業
人工衛星はチリやホコリが大敵な精密機器なので、空気の清浄度が管理されたクリーンルームで組み立てられます。
「きずな」の特徴的なアンテナは2つあります。 1つめはアジアと日本を結ぶMBA(マルチビームアンテナ)。日本国内や東南アジアなどで高速衛星通信が実現できます。
2つめのAPAA(アクティブフェイズドアレイアンテナ)は、MBAよりも広い範囲でより自由に通信できます。アンテナの向きを電気的に瞬時に切り替えられるのが特長で、アジア太平洋地域といった広い範囲で通信ができます。
RF放射試験前のマルチビームアンテナ(MBA)の組付け作業
ここは人工衛星の電波系システムや、アンテナの電波特性を測定する部屋です。電波を反射しない構造になっています。
マルチビームアンテナ(MBA)の熱真空試験
宇宙は人工衛星とって、とても厳しい環境です。真空で空気がなく、太陽があたる場所とあたらない場所の温度差が250度近くあります。このよう状況でも、機器が正しく動くかについていくつも試験をします。
このチャンバーは真空と太陽光、そして暗くて寒い宇宙の状態とそっくりの環境がつくれます。チャンバーの中に衛星を入れて、宇宙空間と近い環境にして試験をします。
音響試験
打ち上げ時のロケット内の轟音に「きずな」の搭載機器が耐えられるかどうかを、音響試験設備にて検証します。
正弦波振動試験
打ち上げ時のロケット内の振動に「きずな」が耐えられるかどうかを、正弦波振動試験設備にて検証します。
RF放射試験
宇宙空間で超高速通信に使用する電波が正常に出ているかどうかを、電波試験棟で試験します。
衛星は巨大なトラックで移動する
大きなトレーラーで丁寧にゆっくり運びます。人工衛星は精密機械なので振動にもとても気を使って作業をします。
たくさんの人の夢を乗せて!
人工衛星を打ち上げるまでには、本当にたくさんの人々がいろいろな形でかかわっていきます。 「きずな」が筑波宇宙センターを無事に出発するときは、プロジェクトチームのメンバーは、自分の子供が自立して出発していくときと同じ気分になります。 もちろん誰もが期待しているのは宇宙での大活躍です。
活躍にご期待下さい!
この写真は、種子島宇宙センターの第2衛星フェアリング組立棟です 。ロケットに乗るまでにここで射場試験を行って、宇宙への出発をまちます。 こうしてすべての準備が完了して、 打ち上げとなります。これからの「きずな」の活躍にご期待ください!