JAXAとイタリア宇宙庁(ASI)は、災害時の衛星による共同観測体制を強化し、衛星データの実利用を一層定着させるため、「災害監視に資する衛星観測に関する協力の実施協定」を11月25日に締結しました。
2009年から、JAXAとASIは、災害時の観測頻度を向上させることを目的にして、衛星データを相互に融通しあう協力関係を継続してきました。この協力関係により、東日本大震災時には、日本政府からの要請によりASIが保有するCOSMO-SkyMed衛星により緊急観測が行われ、その観測データは被災状況の早期把握のために活用されました。また、同衛星は、特にJAXAの地球観測衛星「だいち」の運用停止後から後継の「だいち2号」の運用が開始されるまでの間、日本の災害観測と災害時の衛星データ利用実証活動にも貢献しました。
今回の新たな協定により、JAXAとASIがそれぞれの衛星の強みを活かして補完することで、観測頻度と条件が向上し、特に水害、土砂災害時の衛星の実利用定着に貢献します。また、平時から互いの国の地形データを定期的に取得する協力を追加したことにより、災害時の被害情報抽出精度がより向上します。