お知らせ
2025.03.28(金)
「いぶき2号」の元プロジェクトマネージャ 久世 暁彦が 日本気象学会 岸保・立平賞を受賞
「いぶき2号」(GOSAT-2)のプロジェクトマネージャを務めたJAXA第一宇宙技術部門 衛星利用運用センター(SAOC)の 久世 暁彦 シニアアドバイザーが、国立環境研究所 地球システム領域(衛星観測センター) 松永恒雄 センター長と共に、「いぶき(GOSAT)プロジェクトの推進と宇宙からの長期温室効果ガス観測による社会貢献」による業績で、2025年度日本気象学会 岸保・立平賞を受賞いたしました。
日本気象学会の岸保・立平賞は気象学および気象技術の学術的あるいは技術的成果をもって社会に多大なる貢献をなしたものに対する顕彰で、JAXA職員が受賞することは2019年度の久保田拓志(※)に続いて2度目となります。
日本気象学会によるお知らせは下記をご参照ください。
2025年度日本気象学会賞、正野賞、岸保・立平賞の受賞者決まる
いぶき(GOSAT)プロジェクトの推進と宇宙からの長期温室効果ガス観測による社会貢献

受賞の理由となったGOSATシリーズは、JAXAと環境省(MOE)、国立環境研究所(NIES)の3機関による共同プロジェクトで、2009年に打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)と2018年に打ち上げられた温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT-2)によって長年、地球の温室効果ガスの観測を続けています。さらに、2025年度には3号機である温室効果ガス・水循環観測技術衛星「GOSAT-GW」を打ち上げる予定です。
「いぶき」「いぶき2号」が観測したデータは温室効果ガスの濃度上昇、増加率変動を示す客観的な根拠の一つとして国際会議などで幅広く活用されています。

長年観測することで、より濃度の変化が分かる
GOSAT/GOSAT-2 EORC Monthly Global GHGs Mapより
受賞した久世シニアアドバイザーは「GOSATは私の一生の仕事」と語るほど長年GOSATシリーズに携わってきました。2003年のGOSATプロジェクトの発足以降、衛星に搭載されているセンサの設計・評価・運用・校正・データ提供にかかわり、2019年から2024年1月までは「いぶき2号」のプロジェクトマネージャを務めました。また、執筆したGOSATの設計やデータ処理計画についての論文は多くの文献で引用され活用されています。

久世シニアアドバイザーは以前「地球は1日では変化していることが分からないけれども、10年、15年と観測することで、確実に変わっていることが分かる。その為に、長生きする衛星を作ってあげなければならない。」と語っていましたが、これは長年GOSATシリーズに携わり、国際的にも貢献してきたからこそ言える言葉かもしれません。
※:EORC久保田拓志 主任研究開発員が、日本気象学会 岸保・立平賞を受賞しました
<参考>
・これからの10年は、温室効果ガス削減にいかに衛星が貢献するかが問われる時代
「いぶき2号」プロジェクトマネージャ就任時のインタビュー記事
・16年活躍する「いぶき」について16歳が聞いた
「2024年 衛星画像を使った自由研究の募集」で「いぶき」のデータを活用した受賞者と筑波宇宙センターの臨時展示室で「いぶき」の搭載されているセンサを見ながら、語ったインタビュー記事
2025.03.28 文:松﨑
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