お知らせ
2025.03.10(月)
先進レーダ衛星「だいち4号」のデータ利用に関する合意書を締結
~被災状況把握の迅速化に向けて~
宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)と国土交通省 国土技術政策総合研究所は、被災状況把握の迅速化に向けた研究の推進のため、先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)※1データ使用条件合意書を2025年3月7日に締結しました。
河川、土砂災害、道路、都市、港湾の5分野の被災状況把握の研究に関し、昼夜天候の影響を受けず観測を実施でき、運用中の「だいち2号」より広域・高頻度の観測を実施可能な「だいち4号」の観測データを用います。

本合意書の締結により、「だいち4号」の定常観測運用および観測データの提供開始後に、これら5分野の研究で観測データが活用されます。
各分野の研究内容の詳細については国土技術政策総合研究所のプレスリリースをご参照ください。
今回データ使用条件合意書を締結した「だいち4号」は、電波を地表面に照射し、表面から反射される電波を受信することで情報を得る、合成開口レーダ(SAR)※2と呼ばれるセンサを搭載しています。
衛星から電波を送信して観測することから、昼夜天候の影響を受けず観測を実施でき、その特性から災害状況把握の分野で活躍が期待されています。

「だいち4号」に搭載されている合成開口レーダPALSAR-3は、人工衛星搭載の合成開口レーダとして世界で初めての実証となるデジタルビームフォーミング技術※3を用いて、2017年5月に打ち上げ現在も活躍を続ける前号機「だいち2号」の高い空間分解能を維持しつつ観測範囲を最大4倍に拡大します。
JAXAは「だいち4号」を含む各種の地球観測衛星を運用し、観測データの解析・利用研究を国内外の関係機関とも連携して行っています。その上で、気候変動をはじめとする地球規模課題や災害対策・国土強靱化への貢献、更にはSDGsや農林水産業への貢献などを目指して、衛星データが社会に役立つよう活動を進めていきます。

関連資料
・ALOS-4ソリューションブック
※2 合成開口レーダ(SAR)
SAR : Synthetic Aperture Radarの略。
電波をアンテナから地表に向けて斜めに放射し、戻ってきた電波をとらえることで、地表の状態を把握するセンサです。センサから電波を照射し観測するため、昼夜に関係なく観測を行うことができ、電波が雲を透過する特性があることから、天候にも関係なく観測することができます。
「だいち4号」に搭載の合成開口レーダPALSAR-3はLバンドと呼ばれるマイクロ波帯(1.2GHz帯)の電波を利用しており、透過性が高いことから電波が植生を透過して一部が地面まで届くため、植生や植生に覆われた地表についての情報も得られる特徴があります。

※3 デジタルビームフォーミング技術
アンテナで受信した電波を高速にデジタル処理し、位相の調整と信号の合成を行うことにより、アンテナのビーム指向方向を任意に生成する技術。これにより「だいち4号」では同時に最大4方向のビームを形成することで観測幅の拡大を実現しています。

【関連リンク】
■国土交通省 国土技術政策総合研究所プレスリリース
被災状況把握の迅速化に向けた研究において新たにALOS-4データを活用します
~先進レーダ衛星「だいち4号」データ使用条件合意書の締結~
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