お知らせ

2018.07.18(水)

平成30年7月豪雨におけるJAXAの対応について

2018年6月28日以降、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨となり、各地で甚大な被害が発生しました。被害を受けられた方々に対し、謹んでお見舞い申し上げます。JAXAは、人工衛星による緊急観測を行い、観測結果を防災機関に提供するとともに、独自に解析結果をホームページ上で公開しました。

■緊急観測対応

JAXAでは、発災直後から防災関係機関の要請に応じて「だいち2号」による緊急観測を行い、土砂移動や浸水被害状況の速報処理結果及び判読結果を「だいち防災WEBポータル」を利用して提供しました。

だいち防災WEBポータル
https://jaxa-dis.maps.arcgis.com/home/index.html
※「だいち2号」から取得される画像はレーダ画像であり、抽出された情報の活用には専門的知識を必要とすることから、一部の情報にはアクセス制限を掛けています。

※災害時に人工衛星画像を活用いただくため、専門的知識がない方向けに国土交通省とJAXAは共同で「災害時の人工衛星活用ガイドブック」を作成し公開しています。「だいち防災WEBポータル」とあわせてご利用ください。
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000944.html

また、世界の宇宙機関の取組みである「国際災害チャータ」や、アジアの災害対応の協力枠組みである「センチネルアジア」を通じて、イタリア、ロシア、フランス、タイ、韓国、米国、欧州、ドイツ、台湾、インドの各宇宙機関から提供された衛星画像を内閣府、国土交通省等に提供しました。

【観測事例】

浸水域判読結果

推定浸水域判読結果(岡山県倉敷市真備町川辺付近)
平成30年7月7日 24時頃観測

【だいち2号による緊急観測実績】

観測日 緊急観測の要請元 観測場所 対応概要
7月5日 国土交通省
徳島県
徳島県 夜パスにて観測。速報処理結果及び判読結果を提供(土砂移動把握)。
7月6日 国土交通省
高知県,徳島県
高知県
徳島県
昼パスにて観測。速報処理結果及び判読結果を提供(土砂移動把握,浸水把握)。
国土交通省 福岡県 夜パスにて観測。速報処理結果及び判読結果を提供(浸水把握)。
7月7日 国土交通省 岡山県
高知県
徳島県
夜パスにて観測。速報処理結果および判読結果を提供(土砂移動把握,浸水把握)。
7月8日 国土交通省 愛媛県
広島県
昼パスにて観測。速報処理結果及び判読結果を提供(土砂移動把握,浸水把握)。

■解析結果の公表

JAXA地球観測センター(EORC)では、「だいち2号」による災害観測の解析を行い、ホームページ上で公表しました。
http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS-2/img_up/jdis_pal2_heavyrain_westernjapan_20180711.htm

7月6日23時44分頃の福岡県周辺における「だいち2号」の画像。水色は画像解析により抽出した浸水域

浸水域

あわせて降水状況の把握に関する情報提供の観点から、GPM主衛星と全球合成降水マップ(GSMaP)により、継続的に降水の状況を観測・解析を行い、同ホームページ上で公開しました。人工衛星は、地上観測の範囲外の海上を含めた広範囲の雨分布を観測できるので、気象庁からの資料や天気図と比較することで、今回の災害がどのような雨によってもたらされたのか詳細情報を提供することができます。
https://earth.jaxa.jp/ja/earthview/2018/07/10/2922/

GPM二周波降水レーダが観測した降水の三次元分布

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