お知らせ

2019.03.01(金)

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の運用終了について

宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の通信異常発生後、約2週間に亘って地上局から「きずな」との通信を試みてきました。しかし、「きずな」との通信が復旧しないことから、地上からの運用不可能と判断し、「きずな」搭載の送信機とバッテリーを停止するコマンドの送信を平成31年2月27日15時54分(日本標準時)に地上より実施し、これをもって同衛星の運用を終了しましたのでお知らせいたします。
JAXAがNICT(情報通信研究機構)と共同で開発した「きずな」は平成20年2月23日に種子島宇宙センターからH-IIAロケット14号機により打ち上げられ、設計寿命の5年を大きく超えての運用を通じて、広域かつ超高速な衛星通信技術の実証に加え、東日本大震災時には被災地域への通信回線提供や被災地画像の関係機関への提供等の利用面でも多くの成果をあげてきました。
これまでの運用にあたり、ご協力をいただいた関係各機関及び各位に深く感謝いたします。
「きずな」の主要な成果につきましては、下記をご参照ください。

「きずな」の実績・成果

(1)

衛星を用いた高速インターネット通信技術の実現

  • ・最大3.2Gbpsという世界初(当時)の超高速通信を実証
  • ・米雑誌「Popular Science」の“Best of what’s new 2008”に「きずな」が選定
  • ・海中ハイビジョン映像を洋上船舶から地上局への伝送に成功
(2)

アジア・太平洋地域における情報格差の解消に向けた超高速衛星通信利用モデルの実証

  • ・海外に設置した複数拠点への同時配信を実施
  • ・遠隔教育実験や遠隔医療実証実験を実施
  • ・従来1週間以上を要した国立天文台VERA観測データの、準リアルタイム処理に成功
(3)

超高速衛星通信による非常用通信伝送の実証と活用

  • ・防災訓練等における伝送実験を実施
  • ・東日本大震災の災害対策支援を実施

(1)

平成20年11月17日、平成21年9月7日

四国地方非常通信訓練および和歌山県防災総合訓練における「きずな」(WINDS)の非常用通信等伝送実験実施結果について

http://www.jaxa.jp/press/2008/11/20081117_kizuna_j.html
http://www.jaxa.jp/press/2009/09/20090907_kizuna_j.html

(2)

平成22年3月15日

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)回線を使用した国立天文台VERA観測データの準リアルタイム相関処理の成功について

http://www.jaxa.jp/press/2010/03/20100315_kizuna_j.html

(3)

平成22年7月2日、平成22年12月1日

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を使用した遠隔病理診断実験

http://www.jaxa.jp/press/2010/07/20100702_kizuna_j.html

(4)

平成22年8月18日、平成23年5月27日

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)による海上ブロードバンド通信実験の実施結果について

http://www.jaxa.jp/press/2010/08/20100818_kizuna_j.html

(5)

平成23年3月20日

超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)による東日本大震災の災害対策支援について

http://www.satnavi.jaxa.jp/project/winds/news/2011/110320.html

(6)

平成25年10月17日 情報通信研究機構報道発表

超高速インターネット衛星を用いた陸上からの無人探査機遠隔操作(テレオペレーション)に成功

https://www.nict.go.jp/press/2013/10/17-1.html

(7)

平成26年5月12日 情報通信研究機構報道発表

「きずな」で世界最高速3.2Gbpsの衛星伝送に成功

https://www.nict.go.jp/press/2014/05/12-1.html

(8)

JAXA衛星利用実証実験(民間利用実証実験)の主な成果

(9)

JAXA衛星利用実証実験(防災訓練)の主な成果

【関連リンク】

最新情報を受け取ろう

公式ソーシャルアカウント