お知らせ

2024.08.20(火)

先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)搭載光衛星間通信機器(光ターミナル(OLLCT))の単体性能確認を完了しました
~宇宙空間における光通信の技術実証に向けて~

「だいち4号」の打上げ後のチェックアウト運用にて、 「だいち4号」に搭載された光ターミナル(OLLCT)の単体レベルでの動作確認を完了いたしました。

CPMの動作確認に引き続き、衛星間の光通信に不可欠な送信レーザ光の強さや安定性、レーザの送信方向に関する制御性能等を順次確認し、これによって、光ターミナル(OLLCT)全体が正常に動作し、光衛星間通信に必要な性能を満たしていることが確認されました。

今後は、静止衛星である光データ中継衛星に搭載されている光ターミナル(OGLCT)と、実際の捕捉・追尾(※)や通信を行い、その性能を評価する対向チェックアウトを実施していきます。

OLLCT全体の概要説明

光学部(OPT):レーザ光を送り出す/受け取る部分。レーザ光の送受信方向を制御する他、受信したレーザ光のファイバへの取り込みや、OAMPからファイバで受け取ったレーザ光を、一定の大きさに広げる機能を持つ。

光増幅部(OAMP):レーザ光の強度を増幅する部分。OPTで受け取った通信相手からの弱い光の増幅や、OTRXから受け取った送信光の増幅を行う機能を持つ。

光送受信部(OTRX):光信号と電気信号を変換する部分。ALOS-4システムから受け取る送信データ(電気信号)の光信号への変換や、地上からの受信データ等(光信号)を電気信号に変換する機能を持つ。

制御回路部(CNT):OPT、OAMP、OTRXの動作のコントロールや、衛星外部に取り付けられたOPTの温度制御を行う機能を持つ。

これらの各機器の機能性能、及び全体としての機能性能について確認が完了しました。

※捕捉・追尾についての補足説明

<捕捉について>
LUCASでは、通信相手衛星の光ターミナルからのレーザと、自分自身の発するレーザを用いながらお互いの位置を特定し、お互いのレーザを捕まえ続けます。これを「捕捉」と呼びます。
<追尾について>
LUCASでは、通信相手衛星の光ターミナルとの捕捉状態を維持するために、相手衛星を指向し続けるようレーザ光の方向を制御します。これを「追尾」と呼びます。

今後のウェブ掲載(サテライトナビゲーター)予定(日本標準時)
※運用状況によって、掲載時期を変更する場合がございます。
8月末『光データ中継衛星と先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)による
通信速度1.8Gbpsの光衛星間通信実験成功について

★LUCAS及びOLLCTの設計・製造はNEC様が担当し、
また、現在実施中のチェックアウト運用の支援もいただいております。

【関連サイト】
光通信システム: 宇宙ソリューション | NEC
https://jpn.nec.com/solution/space/optical/index.html

光衛星間通信システム「LUCAS」が切り開く新たな宇宙利用の可能性: NECの技術 | NEC
https://jpn.nec.com/ad/cosmos/technology/lucas/interview/index.html

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