【結果発表】 2024年 衛星画像を使った自由研究の募集

今年度初開催となりました、「衛星画像を使った自由研究を大募集」には、小学生から大人の方まで、多くの方にご応募いただき、誠にありがとうございました。
ご参加いただいた皆様には、2024年度衛星画像自由研究員の認定証と記念品をお送りいたします。
また、JAXA第一宇宙技術部門の研究者複数による厳正な審査の結果、優秀な作品として選ばれたものを以下にご紹介します。画像をクリックすると、各作品をご覧いただけます。

優秀作品(10件)

石田 航大 小学4年生 池田市立石橋小学校
地球温暖化をくいとめるには?
~地球のために、未来のために~

審査員コメント
同じ日付の2時期のAMSR2画像を比較することで、オホーツク海周辺で、この11年で海面水温が上昇していることがよく分かりますね。考察をもとに、具体的なアクションにつながる提案まで書かれていて、自由研究全体としてよくまとまっています。

ゆうき 小学6年生 松戸市立相模台小学校
北極の氷どうやって溶ける?
〜実験と衛星データから北極の海氷を知る〜

審査員コメント
大作ですね。北極の海氷の衛星データを見たことをきっかけに、北極の氷がなぜ今のような形をしているのか、どのように溶けているのかという疑問を持ち、自宅で様々な実験を行っています。特に、3-2項と5項では、複数の種類の衛星データを活用し、実験結果も踏まえて多角的な考察がされています。これからもご自身の興味を深めて、北極の海氷に関する新たな発見を期待しています。


大泉 柊 中学2年生 さいたま市立内谷中学校
平塚から消えたアカウミガメ

審査員コメント
海水浴でウミガメの子供を発見した体験をきっかけに疑問を持ち、文献に加え学芸員の方にもお話を聞かれるなど、積極的に調査されている姿勢が伺えます。また、ウミガメの産卵記録が近年無くなっていることと、海水温度が年々高くなっていることの関係性に着目し、AMSRビューアから読み取った海面水温の値を用いて、独自の考察がされている点も素晴らしいです。

宮田 一寿 中学3年生 三郷市立彦成中学校
私の街~過去、現在を学び未来を考える~

審査員コメント
複数の時期の衛星データを比較し、ご自身の身近な街である埼玉県三郷市で進行する開発状況などの土地利用の変化を捉えています。また現地調査として、自分の目でも確かめられている点も、深みのある考察に繋がっています。
「JAXA 高解像度土地利用土地被覆図」のデータについては、より精確な情報となるようJAXAでも日々検証を行って参ります。


佐藤 仁律 高校1年生 江戸川学園取手高校
近年の地球での変化を調べてみた

審査員コメント
JAXAの衛星としては最長の15年以上観測を行っている「いぶき」(GOSAT)のデータを使用し、地球環境の変化を分析されています。広域かつ長期的な観測が可能である人工衛星の特徴を生かした内容となっていて素晴らしいです。また、湖の面積変化と降水量の関係性を分析された点は、非常に興味深い試みです。

元 太陽 高校3年生 修道高校
中国・四国地方における森林・非森林マップ(FNF)を活用した県ごとの森林の増減とその分析

審査員コメント
森林・非森林マップ(FNF)のデータを用いて、中国・四国地方の9県における2017年と2020年の森林変化を、森林面積だけでなく樹冠率の指標も用いて定量的に分析されています。特に、一見森林が増加しているように見える結果に対して、林業従事者の減少という要因に着目して問題点を考察されている点は独創的で素晴らしいです。
JAXAとしても、より有用な情報・データを公開していけるよう引き続き頑張ります。


森 貴之 修士1年 千葉大学大学院
GCOM-Cを用いた2026年の花粉飛散量予測~日本国民から花粉症を守ることが私の使命~

審査員コメント
花粉症の方が多いので、地域の違いや季節の変化の影響が気になるところですね。このような素朴な疑問に対する客観的な解析は素晴らしいと思います。特に、衛星以外のデータも含めた複合解析は非常に重要です。「今後、やりたいこと」を進めて、是非、人の心を動かす衛星画像の実現を期待しています。

いけだ なおき 30代
夏の暑さを衛星画像で見てみる

審査員コメント
地面の温度と大気の温度(気温)の差に対する素朴な疑問を論理的に分析されています。ある特定の条件に限定せず、夏と冬の違い、都市と山間部の違い、同じ都市でも東京都と名古屋の違いと、簡潔かつ論理的に展開されており、改めて面白く物理現象を拝見しました。この流れで、海と山の違いや地域・時期による温暖化の影響の違い等の今後の展開を期待しています。


今井 凌 30代
南極海の海氷面積の分析

審査員コメント
南極海の海氷面積がどのように変化しているか、5つの海域に分けて検証を行い、その中の1つの海域で他の4つの海域とは逆の変動を行っていることを見出しています。また本解析の精度向上に向け、複数の検証方法が提案されており、慎重かつ客観的な分析が行われています。特定の海域における海氷の変動傾向は、南極における温暖化の影響を評価する上で重要な手がかりとなり、気候変動研究に新たな知見をもたらすものであると期待されます。

俵 怜志 40代
ものの見方を変えると見えてくるもの~海面温度は台風発生数に影響を与えるのか~

審査員コメント
海面水温と台風の発生という、非常に大切なテーマで取り組んでいただきました。海面水温のデータを3種類に分けて考察され、それぞれの有効性についても検証されています。あるエリアの海面温度が台風の発生に影響を与えている可能性があるとの結果も興味深いです。

特別賞(1件)

廣末 道享 小学校5年生
今日も働く人工衛星 ALOS-4(だいち4号)の活躍

審査員コメント
「だいち」シリーズ衛星の特徴や働きについて、分かりやすくまとめられています。2024年1月の能登半島地震の被害状況について、地理院地図を活用して可視化された点も素晴らしいです。参照されている地理院地図の画像はJAXAの衛星画像ではないものの、プロジェクト関係者の心に響く作品でしたので、特別賞を贈らせていただきます。

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